【里未】
「い、家だけじゃ飽き足らず、学園でもする気なの!?  あんた、自分が何してるかわかってんの!?」

【里未】
「ちょっと、これ、早く解きなさいよ! この変態!」

里未が大声を出し、縄を解こうと手足に力を入れる。
それでもきつく縛ってある縄は、決して解けることはない。
しかし、このまま大声を出されたら、いずれ誰かに気付かれてしまう。

【信一】
「静かに……そんなに騒いだら、誰かが来ちゃうから」

【里未】
「はっ。ばっかじゃないの? バレて困るのはあんただけでしょ? これがバレたら、あんた大変なことになるわよ!」

畳み掛けるように言う里未は俺を睨みつける。
まずい。本当に人が来てしまう。そうしたらお終まいだ。どうすればいい。

【里未】
「わかったら早く外してよ……ほら、早く……」

里未は俺に強い恨みの視線を送ったままだが、その言葉尻はさっきよりも心なしか声が小さい気がした。
悔しそうに俺を見つめる里未を前に俺は合点がいった。
自分が犯されているところなんて、誰にも見られたくないに決まっている。